30年ほど前の日本では、夕食を食べた後に入浴するのは当たり前の習慣でしたが、近年では欧米のようにシャワーだけで済ませてしまう人が増えてきています。 健康というと、運動や栄養、睡眠といったことが重要なのはよく知られていますが、入浴も同じように健康にとって重要だったりします。 「入浴は身体を綺麗にするもの」という認識でいる人は、すぐにでも「入浴は身体も綺麗にできて健康にも良い行い」という認識に変えるべきだと言えるでしょう。 この記事では、そんな「健康のために入浴が欠かせない理由」について解説していきたいと思います。
シャワーだけでは疲れは取れないって本当？
忙しい毎日を過ごしていると、「お風呂に入るのめんどくさいな」と思ってしまうものですよね。 50代以降の人であれば、それでも「めんどくさいけど入るか」と重い腰を上げ湯船にお湯を溜めますが、若年層の人は「シャワーだけでいいや」となりがちです。 しかし、シャワーは確かに髪の毛や体の汚れを落とすことが可能ですが、体の疲れまでは取ってくれません。 多少のリフレッシュ効果はあるものの、疲労回復効果はそれほど期待できなかったりします。 掛け流すというその特性上、水圧が少なく血液循環を促すこともできませんし、十分に体を温めることもできないのです。
健康のために入浴が欠かせない理由
シャワーと比べ入浴が健康にとって大きなメリットとなる理由は、いくつかの理由が考えられます。 入浴している人とシャワーだけで済ませる人では、以下のような違いが生れるのです。
血流が良くなる
湯船に浸かると、ものの3分ほどで体中がポカポカしてきますよね。 これは、血流がアップしているということで、新陳代謝を促し疲労を取ってくれるのです。 シャワーでは全身を一度に温めることが不可能なので、どうしても血流を大幅にアップさせることができないのです。
静水圧作用
シャワーはお湯の水圧が少ないと前述した通り、入浴し体に水圧が掛かることで非常に良い効果が期待できます。 全身を程よくマッサージしてもらっているようなもので、むくみなどが改善できます。
浮力の力で筋肉や関節の緊張がほぐれる
湯船の中は浮力が少ない（体重は10分の1程度になる）ので、筋肉や関節の緊張をほぐしリラックスすることができるでしょう。 シャワーでは決して得ることができない大きなメリットだと言えるでしょう。
自律神経が整う
近年では、自律神経が乱れている人がかなり急増しています。 疲れやストレス、デジタル機器に触れる時間が長いといった理由によって、交感神経が優位になる時間が長くなりがちです。 入浴をすることで、リラックス効果が得られ、少しずつ自律神経が整っていくことでしょう。 シャワーだけだった人が毎日入浴することにしただけで一気に倦怠感がなくなる場合もあったりします。
蒸気によって気管を湿らせる
湯船の蒸気によってのどや鼻といった気管を湿らせることができるというのもメリットの1つです。 免疫力も高まる為、風邪を引きにくい状態を作ることができるはずです。
入浴は健康に良いとされるが長湯や高温は注意が必要
ここまでの解説で、「入浴ってそんなに健康に良いんだ」と驚いた人もいるはずです。 しかし、実際に入浴を習慣化する際は、以下の2点だけ注意をする必要があります。 ・長湯しすぎない 湯船に浸かると、一気にリラックス効果が高まり、「いつまでも入っていたい」と思ってしまうものです。 しかし、長時間入浴してしまうと、脱水症状を起こす危険性があります。 およそ10分程度を目安にお風呂から上がるようにしましょう。 ・高温設定をしない お風呂に入る際にぬるめの温度では物足りなくなってしまう人が結構多かったりしますが、これも健康を考えるとあまり良くないと言えます。 特に42℃やそれ以上の温度で入浴している人は要注意です。 できれば40℃くらいの温度で全身浴（半身浴よりも全身浴がおすすめ）するようにしましょう。 ・ヒートショック 浴室でゆっくりと入浴することで、十分に体温が上昇しますが、この時に気を付けなければならないのが「ヒートショック」です。 近年特に取り上げられることが多い問題の1つとなっています。 ヒートショックとは、浴室と浴室買いの気温差が激しいことによって血圧が変動し、事故が起きてしまうというものです。 前述した熱中症の症状とヒートショックの症状を併せると、なんと毎年2万人弱の人たちが亡くなっているのです。 入浴前に脱衣所の温度を少し上げておくといった工夫をするようにしましょう。
まとめ
今回は、「健康のために入浴が欠かせない理由」について解説してきました。 ・血流が良くなる ・静水圧作用 ・浮力の力で筋肉や関節の緊張がほぐれる ・自律神経が整う ・蒸気によって気管を湿らせる このように、決してシャワーでは得られないメリットを入浴することで得ることができるのです。 最近シャワーだけになっていたという人は、ぜひ今日からでも入浴習慣を始めてみてはいかがでしょうか？
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